山神峠から檜岳山稜

2011.03.05

玄倉バス停 -- 蕗平橋 -- 山神峠 -- 伊勢沢ノ頭 -- 檜岳 -- 雨山 -- 雨山峠 -- 寄バス停

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山神峠から雨山橋に抜ける登山道は、ここまでよりもさらに荒廃が激しく、現在は通行止めになっているが、多くの探検家を惹き付けてやまない魅惑のルートでもあるようだ。

我々も挑戦しようかと考えたが、ここまでの落石と、斜面についた雪を考慮すると、今回はやめておいたほうがよさそうだ。H隊員に万一のことがあって家族が路頭に迷うようなことがあってはいけないし、杉花粉でぼうっとなった頭ではなおさら危険だ。たくさんの言い訳を並べたうえで我々は雨山橋へ行くのを断念、山神峠から伊勢沢ノ頭へ向かうことにした。


←伊勢沢ノ頭への登山道は、落石の心配のない平和な尾根道である。斜面が北向きなので、雪が残っていた。
前を歩くH隊員が妙なものを見つけた。鹿のアゴの骨のようだ。近くに脚の骨と、もう片方のアゴの骨も落ちていた。
やがて何かを運ぶためのものと思われるもレールが現れた。大山北尾根にあるのと同じものだ。
このあたりはまだ狩猟期間が終わっていないようだ。落石の恐怖の次はライフルである。猟犬の声がしてきたと思ったら、かなり近くで銃声が3発!

この銃声と関係があるかどうか分からないが、伊勢沢ノ頭の手前まで来ると、雪の上に血痕が散らばっていた。ただし血の量は少ない。鹿がライフルで撃たれたら、もっとたくさん血が出るような気がするが・・・。
11時47分 伊勢沢ノ頭

昼の休憩によい時刻だが、伊勢沢ノ頭にはベンチが置かれていない。このまま檜岳まで歩くことにした。ここからは2008年11月に歩いたコースを逆向きにたどることになる。
蛭ヶ岳から丹沢山にかけての展望
12時19分 檜岳
老朽化の激しいベンチで昼食。檜岳山稜は道標も古いものが多く、神奈川県から見放されているようにも感じる。

昼食のあとは雨山峠を経由して淡々と下るだけ。のはずが、ここで思いがけない窮地に陥ってしまった。雨山峠へ下山する道が分からなくなってしまったのである。雪で踏み跡が隠されてしまったとはいえ、間抜けな話である。あっちをウロウロ、こっちをウロウロしているうちに30分以上も時間をロスしてしまった。檜岳山稜はなんとなく東西に伸びているイメージがあるが、檜岳から雨山へ下る道はかなり北向きに近く、蛭ヶ岳から不動ノ峰あたりを正面に見て下るのが正解だった。また、檜岳からの下りが思ったより急なのも混乱のもとになった。2年前に逆向きに登ったはずなのに、このあたりの様子は全く記憶になかった。

←檜岳を下って振り返ったところ。下山開始から1時間近くも経過している。
14時12分 雨山を通過
雨山から雨山峠への下りはけっこう険しいうえに北向きの斜面なので凍結している部分もありそう。ぼくはチェーンアイゼンを使うことにした。でもH隊員は何もつけず。

14時47分 雨山峠を通過。
写真は峠からすぐの梯子の上から撮ったもの。しばらく下るうちに雪はなくなった。
雨山峠から沢沿いに続く登山道も脆くて崩れやすい所が多い。来るたびに少しずつ様子が変わっているように思う。

寄沢の河原に出たところで一休み。ここまで来れば寄バス停まであと1時間ほど。
17時02分 寄バス停

運良く、あまり待たずにバスが来た。

バス停近くの自販機でジュースを買おうとしたら、ビールの前になんてことをとH隊員に怒られてしまった。うむ、たしかにそうである。しかし、花粉の季節にアルコールを飲むと、鼻づまりがひどくなって大変つらい。

バスが新松田駅に着く手前で薬局があるのに気づいたので、駅に着いたあと点鼻薬を買いに行った。クロモグリク酸ナトリウム配合の高級品である。おかげで快適にビールを飲むことができた。新幹線に花粉薬と、ずいぶん出費のかさんだ丹沢ハイキングであった。

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丹沢ハイキング