二俣から鍋割山

2011.02.19


表丹沢県民の森ゲート -- 二俣 -- 後沢乗越 -- 鍋割山 -- 小丸 -- 小丸尾根 -- 二俣 -- 大倉バス停






歩行距離:約12.5km / 累積標高:登り約1050m、下り約1200m
 マーカーの位置は鍋割山

【時間の記録】
県民の森ゲート
後沢乗越
鍋割山
小丸尾根入口
二俣
大倉バス停

09 : 07 発
10 : 27 着
11 : 32 着 - 12 : 33 発
13 : 18 着
14 : 58 着
16 : 25 着


M隊員、R隊員、そして私の3名でMARKS隊を作れることに気が付いたのは、半年ほど前だったであろうか。ようやくこのMARKS隊で丹沢に出撃する日がやってきた。3人でMARKSなんてインチキだと思われるかもしれない。たしかにその通りである。だが、そんなに滅茶苦茶なこじつけでもない。各人の姓または名の比較的最初のほうのアルファベットを組み合わせることにより、MARKSを作れるのである。3人のうち2人が2文字ずつ提供するが、ひとりに由来する2文字はいずれもMARKSの中でバラバラにならず連続していることも付け加えておきたい。それにしても、Rの文字を持つR隊員の存在は大きい。MAKSの4文字は比較的容易に揃うが、Rは貴重だ。

我々はMARKS隊だからといって、穴を掘って人を埋めたりはしない。きわめて穏健な登山隊である。(MARKS, MARKSって何のことやらサッパリという方は、このあたりをどうぞ。) 穏健なMARKS隊の初丹沢は、二俣から後沢乗越、鍋割山、小丸尾根を周回するという穏健なコースである。小丸付近のブナ林には雪が残っており、心癒される景色を楽しむことができた。

渋沢駅北口からの眺め。丹沢の高いところは雲に隠れている。天気予報は晴れだが、そのうち雲はとれるのだろうか?

今回は渋沢駅から表丹沢県民の森までタクシーを利用することにした。いきなり穏健な選択である。
県民の森のゲートまで料金は2300円ほどだった。ここから出発するのは7年前のGW以来。こんな寒い季節なのにGW並に車がたくさん停まっていて驚いた。体をほぐして9時7分スタート。

林道を歩いていくと、二俣で勘七沢を渡るところに新しい丸木橋が架かっていた。

さらに進むと、猟犬の鳴き声が聞こえてきた。近くで狩猟をしているようだ。でも、やけに近いところからも鳴き声がするなと思ったら、道端の軽トラックに積まれた犬小屋に、一匹だけ犬が取り残されていて、こいつがキャンキャン鳴いているのだった。ベンチならぬ小屋を温める控え犬、といったところか。
林道の終点まで来たところで、この先の登りに備えてひとやすみ。ミズヒ沢を渡る(左の写真)と、植林帯に入り本格的な登りとなる。
ミズヒ沢から17分、植林帯を抜けると後沢乗越が見えてきた。

以前、暑い季節に丹沢に来たことがあるM隊員は、「丹沢=地獄の山」というイメージだとか。でも冬に来れば、休憩中は寒いが歩いているときは快適そのもの。少しは見直してもらえたかな?
10時27分 後沢乗越

西側の開けたところに檜岳山稜が見える。


後沢乗越から鍋割山山頂までは、地図のコースタイムで1時間20分。尾根の途中にコブや平坦な所がいくつかあって、それが山頂のように見える場合がある。初めて登る人は、「山頂だと思ったら違った」というのを繰り返して心が折れてしまわないように注意しよう。
「鍋割山稜7」の標識付近。

手前が比較的急な登りなので、この平坦部は手前からはピークのように思える。しかし、後沢乗越からまだ20分ほどなので、いくらなんでもここを鍋割山と勘違いする人はいないだろう。
さらに10分ほどで、「鍋割山稜8」の標識。ここも平坦なので手前からはピークに見える。

しかしその先にも明瞭なコブが。時間的には早すぎるが、あれが鍋割山と思えなくもない。
そこまで行ってみると、あれあれ、まだその先に高い所がありそう。
で、そこまで行くと、またまた先に山が見える。
で、そのあたりまで行くと、もう一つ偽のピークがあり、鍋割山はその次のピークであることがようやく分かる。(鍋割山荘が見えるので)



このあたりから登山道に雪が出てきた。雪は水分を含んでジャリジャリしている。



11時32分 鍋割山

ということで、数え方によって前後するが、後沢乗越から5番目か6番目くらいのピーク(のように見えるものを含む)が本当の山頂である。空は曇ったままで、富士山は見えなかった。

鍋割山荘の鍋焼うどんは以前にも増して大繁盛。山頂にいるほとんどの人が注文しており、鍋割山での人類の主食は鍋焼うどんになってしまっている。



鍋割山に一時間ほど滞在したあと、鍋割山稜をたどって小丸方面へ。所々凍結した部分があって滑りやすいが、アイゼンなしでもなんとかなった。写真は小丸山頂付近のブナ林。

小丸からしばらく歩くと二俣への分岐点に到着。

我々はここで一人の若い男性を目撃した。(あとで高校生と判明。) ぼくは特に気にとめなかったが、M隊員によると、単独行にしては不自然な地図を持っているのが変に感じたとのこと。

分岐から小丸尾根へ出たところはとても眺めがよい。新型デジカメのパノラマ撮影機能を試してみた。カメラを水平に動かすだけでパノラマ画像を作ってくれる。これがMR両隊員に妙にウケてしまった。再生時に画像が自動的にパンニングされるのも、なかなかよく考えられている。

南を向いた小丸尾根にもう雪はなかった。下り始めは相当な急斜面だが登山道はジグザグを切っているので、それほどしんどくはない。ただし退屈な尾根なのであまり好きではないが、延々と階段が続く大倉尾根よりこっちのほうがいいとR隊員に言われ、たしかにそうかもと思った。

順調に尾根を下り、中間点付近で休憩して出発しようとした時である。誰かを捜しているらしいグループが下りてくるのに出会った。高校生のグループと引率の先生だった。どうやら、さきほど小丸尾根への分岐で見かけた彼を捜しているようだ。申し訳ないことに、ここで我々は結果的に間違った情報を提供してしまった。我々は彼に追い越されておらず、先生達も彼に出会っていないということは、彼はまだ鍋割山稜にいるはずだと。ところが、このあと小丸尾根を下る途中で、登山道の脇で腰を下ろしている彼に出会ってしまったのである。どこかで追い越されたのだとしたら、我々がパノラマ撮影に興じていた時しか思い当たらない。幸い、先生達とは携帯で連絡が取れて、みんなが下りてくるのを待っているところだという。

彼は塔ノ岳でトイレに行っている間に、みんなに置いてきぼりにされたらしい。なんとも不幸な話だが、どうかこの出来事にくじけることなく、立派な丹沢愛好家になってほしいものである。それにしても、グループが何人くらいになると、置いてきぼりが発生するのだろうか。MARKS隊のような少人数だと、当たり前だが一人いないとすぐに気が付く。5人くらいでもすぐに分かるだろう。8人くらいになると危ないのだろうか。そんなことを考えているうちに二俣に着いた(左の写真)。

二俣から1時間以上も林道を歩いて大倉に到着。これが結構疲れた。大倉では今回もさか間に立ち寄ることにした。MR両隊員にもなかなか好評であった。


穏健なMARKS隊の初丹沢は穏健に終了した。しかし、ひとり山中を彷徨う少年。これってやっぱり「マークスの山」じゃないか! というのは、いくらなんでもこじつけすぎかな。


丹沢ハイキング