上海・蘇州の旅

Part 7

上海から蘇州へ


4月30日、上海から蘇州へ電車で移動したときのお話。

切符は前日に買っておくことにした。

上海駅の切符売場は、ご覧のようにものすごい混雑。建物の中に順番を待つ人がびっしり並んでいて、入り切れない人があふれている。さすがは人口12億の国である。中国語のできない人間がここで切符を買うのは至難の業のような気がした。
さて、どうしたものかとウロウロしていたら、軟座専用の切符売場を発見した。(そういうものが存在することはあらかじめ知っていたのだが。)軟座というのは、グリーン車のようなもの。普通の席(硬座)より値段が高いので、売場はあっけないほど空いていて待ち時間ゼロだった。なんという違いであろうか!

行き先や希望時刻を紙に書いて渡すと、係員がパソコンで空いている席を探してくれた。緑の窓口で新幹線の切符を買うのと似ている。
蘇州行きの切符。値段は22元(約330円)。1時間ほどグリーン車に乗ってもこの値段である。外灘と浦東新区を結ぶ観光地下道はわずか数分で30元。いかにぼったくりであるかが分かる。

ところで、上海駅で帰りの切符も買っておいたのは大正解だった。蘇州駅には軟座専用の切符売場が見当たらなかったのである。ものすごい行列に並ばずにすんだ。
ここからは、電車に乗った日の写真。

電車はホームで待つのではなく、待合室で待機する。切符を見せないと入れてくれない。発車まで時間がありすぎても入れてくれない(たぶん)。ここは軟座専用の待合室で、カワイの自動演奏ピアノが置いてあったりする。硬座の待合室はもっと貧相。徹底して差がつけられている。
軟座車両の様子。さすがに席はゆったりしていて、東海道線の4人がけボックス席よりもはるかに快適である。

中国の電車はもしかするとボロいのかなと想像していたが、全くそんなことはなかった。線路のガタガタいう音も全く聞こえず、きわめて静か。乗り心地は日本の電車と同じかそれ以上だと思った。
車窓からの景色を楽しみにしていたのに、線路の両側には木が植えられている部分が多く、あまりよく見えなかった。

時々、木がとぎれるところがあって、のどかな田園風景を垣間見ることができた。
乗った電車は快速だったので、途中で一駅停まっただけで蘇州に着いた。ちょうど1時間くらいだった。

駅が殺風景なので、えらい田舎に来たような気がしたが、蘇州の人口は(市街地域だけで)100万人を超えているらしい。駅の外に出ると、やはり多くの人で混雑していた。
電車の旅は快適だったが、駅に着いてからが大変だった。ホテルまでかなり距離があるので、タクシーに乗らざるをえなかったのだが、雨の中、1時間も並ぶはめになった。

並んでいると色々な物売りがやってくる。白タクの兄ちゃんが車のキーをちらつかせながら近づいてきた。僕には一度声をかけただけだったが、近くにいた小柄な日本人男性には、しつこくからんでいた。外見がいかついのも、時には役に立つものである。




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